2020年入選作品 / 入賞作品

このたびは、当協会主催の鎌倉プロモーションフォトコンテスト2020~つれていきたい鎌倉~にご応募いただきまして誠にありがとうございました。
全応募作品1,286点の中から厳選なる審査の結果、次の作品が入選されました。皆様ご応募ありがとうございました。

鎌倉プロモーションフォトコンテスト 2020年 入選作品

グランプリ

大歓声

『大歓声』
撮影者:牧之内 貞治 撮影地:鶴岡八幡宮
(撮影者のコメント)
ミス鎌倉を中心に年男や年女などが「福は~内~」と豆を撒き、悪鬼邪霊や災厄を祓う神事です。その節分祭への大勢の参戦者の熱狂ぶりと境内に幾度となく響き渡る福を求める大歓声を撮りました。
(審査員からのコメント)
石段最上段から撮影し、全体を俯瞰したことで節分豆まき現場の熱狂の様子がそのまま伝わってくる。また、群衆一人一人の表情や細かな動きも見えることで、単なる現場の説明ではなく、大歓声の音や熱気まで想像出来るグランプリにふさわしい豪華な作品となりました。

鎌倉市長賞

バイバイ~

『バイバイ~』
撮影者:岡﨑 美樹 撮影地:腰越(小動神社 天王祭)
(撮影者のコメント)
江ノ電が通る度に手を振るのが微笑ましくて。
(審査員からのコメント)
「バイバイ~」このタイトルが素晴らしい。よく目にする光景だが、電車で走り去る乗客に手を振る人。ん、知り合いじゃないよネ?電車には思わず手を振りたくなる何かがあるんだ。

鎌倉商工会議所会頭賞

夏の由比ヶ浜

『夏の由比ヶ浜』
撮影者:四位 雅文 撮影地:由比ヶ浜
(撮影者のコメント)
夏休み最後の観光客で賑わう浜辺の片隅で、黙々と漁網を繕う漁師の周りだけ静かなときが流れていた。
(審査員からのコメント)
見る人の心に届く写真です。観光客をボカにして、網を縫う漁師にフォーカスした。舟のブルーが画面の下半分を占め、働く漁師の清々しさまで感じる写真です。

鎌倉市観光協会会長賞

鶴岡八幡宮石段に写る参拝者のシルエット

『鶴岡八幡宮石段に写る参拝者のシルエット』
撮影者:大久保 政芳 撮影地:鶴岡八幡宮
(撮影者のコメント)
鶴岡八幡宮の石段に午後の強い日差しによって映し出された参拝者のシルエットがコミカルな形を作り楽しかった。
(審査員からのコメント)
アイデアが抜群です。階段に落ちるシルエットをナナメから見ることでコミカルなカタチになった。

鎌倉市商店街連合会会長賞

めぐりあい

『めぐりあい』
撮影者:山内 明徳 撮影地:七里ガ浜
(撮影者のコメント)
牡牛座のフルムーンと江ノ電との出逢いを狙いましたが、現像してみてびっくり。旅客機がぴったり月の上に! こんな偶然は二度とないだろうと、写真の神様に感謝しました。
(審査員からのコメント)
タイトルは「めぐりあい」、本当にその通り。偶然性を取り込めるのも写真ならではのもの。でもこの写真は旅客機が見えなかったとしても自然の神々しさが感じられる美しい作品です。

観光賞

当てるぞ

『当てるぞ』
撮影者:出島 宏一 撮影地:鶴岡八幡宮(例大祭)
(撮影者のコメント)
武士の街古都鎌倉にふさわしい行事です。小笠原流のみなさんは本業の合間をぬって精進され、毎年すばらしい演武を奉納されております。やってみたいですが老骨につき撮影を楽しませてもらってます。
(審査員からのコメント)
矢を放した瞬間の絶妙なタイミングをとらえましたね。シャッターチャンスも見事ですが、なんといっても射手のギョロリと眼をむいた表情が秀逸。馬の顔を入れたフレーミングも良かった。

スマホ賞

うたた寝

『うたた寝』
撮影者:本田 誠 撮影地:鎌倉大仏殿高徳院
(撮影者のコメント)
春の暖かい日と桜に囲まれた鎌倉の大仏。まるで桜に包まれて寝ているようです。
(審査員からのコメント)
毎年大仏の写真はたくさん応募されますが、この写真はひときわ目をひいた。桜に囲まれたことで、大仏の半眼が、まるでウトウトしているように見える。平和はいいなあ、と思わせる写真。

入選

初参り
『初参り』
うけとって
『うけとって』
七五三の少女
『七五三の少女』

撮影者:加藤 一郎 撮影地:建長寺

(撮影者のコメント)
仏殿前の煙立つ常香炉を前面に、仏殿に向かってくる二組の参拝者を入れてスナップしてみました。

(審査員からのコメント)
大きな香炉を内側から見たことで、まるで顔のよう。あんぐり開けた口の中から参拝者が歩いて来るようです。アイデアが成功しましたね。

撮影者:沖山 博 撮影地:小動神社

(撮影者のコメント)
小動神社内の海神(わだつみ)神社例祭に奉納される湯花神楽(鎌倉神楽)の様子です。天狗の真似をする神様から、ミカンをいただきました。

(審査員からのコメント)
神様役の人がミカンを投げた瞬間、受け取らずに写真を撮った。とっさの行動によく反応しました。ミカンもちょうど良い位置でした。優れた反射神経も良い写真を撮る条件なのです。

撮影者:中沢 賢治 撮影地:円覚寺

(撮影者のコメント)
紅葉を眺めに出かけた円覚寺の石段で七五三のご家族を見かけました。小さな和服の女の子が元気いっぱいに歩いている姿が印象に残りました。

(審査員からのコメント)
子どもらしい仕草の瞬間をとらえました。地味な石段を背景に晴着の着物がよく映えます。誰もが記憶にあるような、なつかしさを感じます。

針供養
『針供養』
あのカーブの先へ
『あのカーブの先へ』
どんど焼き
『どんど焼き』

撮影者:岩永 憲明 撮影地:荏柄天神社

(撮影者のコメント)
荏柄天神社の針供養の一場面です。二人の婦人が豆腐に針を刺しています。その直ぐ後ろに巫女さんが立っています。神聖な行事ですが、彩りの美しさにも感動しました。

(審査員からのコメント)
巫女さんの朱色、豆腐の白。それに色とりどりの針の頭がとっても可愛らしい。女性らしい細やかな手つきと、手前婦人の袖口の緑色も効果的です。

撮影者:馬場 博之 撮影地:腰越駅

(撮影者のコメント)
道路を並走し、駅から一両はみ出し、そして誰もがあのカーブの先の景色を心待ちにしています。ワクワクしますよね。

(審査員からのコメント)
コメントに書いてあるとおり、カーブの先を想像してワクワクする写真です。画面半分に電車のボケを配したのが奥行き感のある写真的効果を生み、動きを感じさせる。写真が上手い。

撮影者:根本 紀男 撮影地:源氏池(鶴岡八幡宮)

(撮影者のコメント)
1月15日の未明に左義長神事が鎌倉源氏池畔でおこなわれ、祭場には、しめ飾り、松飾りを円錐形に積み上げ、斎火(いみび)をもって焚き上げ、神神しく感じ撮影しました。

(審査員からのコメント)
神事に集中した結果が思い通りの写真になったと思います。しめ飾りの燃え上がる炎に命があるような、重々しく神事にふさわしい動きを感じます。

一緒に訪れたい紫陽花階段
『一緒に訪れたい紫陽花階段』
回せ、回せッ
『回せ、回せッ』
群れ
『群れ』

撮影者:齋藤 一雄 撮影地:明月院

(撮影者のコメント)
定番の構図ですが、明月院ブルーと呼ばれる紫陽花を狙いたくて訪問している人達が途切れるのを40分近く待って撮った1枚です。

(審査員からのコメント)
明月院のよく見る場所です。さすがに人気の理由がわかりますね。葉の緑と紫陽花のブルーが美しく、歴史を感じる石段との組み合わせは荘厳な気持ちすら生まれてくる。

撮影者:辻 裕治 撮影地:大町四角交差点

(撮影者のコメント)
鎌倉大町夏祭りの四連繋ぎ神輿。勇壮で熱い躍動感をブレで表現してみました。

(審査員からのコメント)
四連繋ぎ神輿を勇ましく撮れました。コメントのようにブラしたことで躍動感が生まれたね。担ぎ手の顔表情が写し込まれたら尚良かった。

撮影者:酒井 俊也 撮影地:鶴岡八幡宮

(撮影者のコメント)
元旦に訪れた鶴岡八幡宮の上空をたくさんの鳥が飛んでいました。少し異様な雰囲気でしたが、爽やかな青空の中を飛ぶ白い姿が綺麗でした。

(審査員からのコメント)
鳥居の上を多数の鳩でしょうか、鳥が群れて飛んでいる。たしかにコメントのように異様な雰囲気もあるが、何よりも澄んだ青空に鳥居の朱色の色彩対比が鮮やかです。

武者行列の後で
『武者行列の後で』
船おろしの日
『船おろしの日』
伝統の面掛行列
『伝統の面掛行列』

撮影者:猪狩 淳 撮影地:鶴岡八幡宮 段葛

(撮影者のコメント)
鎌倉祭の武者行列が終わってからの一コマです。中央の弁慶役の方がポーズをとってくれました。

(審査員からのコメント)
祭りの武者行列を撮るだけでなく、終わった後の武者役の人々をスナップしたのがとてもいい。祭りの終わりは魅力あります。自然な瞬間を写すことで意外性のある写真が撮れます。

撮影者:鎌田 俊介 撮影地:材木座海岸

(撮影者のコメント)
当初、材木座海岸一番逗子よりから富士を入れた写真を狙っていましたが、富士は顔を出さないので、代わりに場所を材木座中央に移してウインドサーフィンを入れました。

(審査員からのコメント)
稲村ヶ崎を遠景に、派手な色彩の大漁旗を手前に大きく配した構図がいい。その対比の間をウィンドサーフィンがおもちゃのように並んだのが楽しいね。

撮影者:藤川 豊彦 撮影地:星の井通り(力餅屋付近)

(撮影者のコメント)
狭い場所に大勢の見物客でひしめきあうのでどこの場所でどういった構図で作品にするかをあらかじめ決めていました。面掛衆を俯瞰して撮影できる場所を探し、なおかつ背景に留意しながら撮影しました。

(審査員からのコメント)
面掛け祭りの全貌が見えるように撮れましたね。群衆の顔など余分な要素が入らないように注意した効果が出ています。天気にも恵まれ色彩も鮮やかです。

香炉の外は
『香炉の外は』
皐月の光の中で
『皐月の光の中で』
カガミの国の音楽隊
『カガミの国の音楽隊』

撮影者:足立 尚史 撮影地:鎌倉大仏殿高徳院

(撮影者のコメント)
高徳院阿弥陀如来坐像の前の香炉から大仏を見上げる参拝者を撮りました。香炉に不規則な形の窓からの光が幻想的でした。

(審査員からのコメント)
香炉の内側も現実、外側も現実なのに点々と不規則な形の窓から見える景色は舞台のようでもある。線香の煙が効果的だと尚良かったか。

撮影者:福島 七重 撮影地:妙本寺

(撮影者のコメント)
五月の雨上がりの早朝、霞に射し込む光は神々しいほど美しく、まだ雫をたたえた早緑が輝き思わずその中に飛び込みました。

(審査員からのコメント)
朝の光の美しさを注意深くよくとらえています。樹木の間から射す光は、いつ見ても神々しい。場所の具体的な特徴が画面にあるとさらに良かった。

撮影者:大谷 和男 撮影地:芸術館通り

(撮影者のコメント)
大船まつり会場で鎌倉女子大中等部高等部マーチングバンドのみなさんが熱心に演奏する姿がチューバに映り、おとぎ話に出て来そうなカガミの国の音楽隊のように思えた。

(審査員からのコメント)
チューバに映り込んだ、マーチングバンドの楽隊がゆがんでお伽話に登場したみたいで可愛い。映った世界にフォーカスを合わせたことで意図が明確になりました。

彼岸花
『彼岸花』
出口
『出口』
朝もやの明月院
『朝もやの明月院』

撮影者:丸山 真由美 撮影地:英勝寺

(撮影者のコメント)
数と色に圧倒されました。別世界の入り口が開きそうなほど、異世界感がありました。

(審査員からのコメント)
彼岸花は元々、異次元世界に咲く花にすら思えます。それにしてもこれだけまとまって咲いているとどことなく不気味に感じさせる。周囲の暗さの中で花の朱色が美しくとても印象的です。

撮影者:本間 太郎 撮影地:銭洗弁財天

(撮影者のコメント)
ぼんやりとした鈍い光で照らされた通路と、時の流れを感じさせる鳥居のコンビネーションがどこか異世界への出口を感じさせる。

(審査員からのコメント)
こんな不思議な場所があったのですね。薄暗い光の効果を見逃さずに美しい写真に仕上げました。道路の赤味がかった色と、鳥居の石の色が異次元世界を思わせる。「ここは何処?」です。

撮影者:高橋 成美 撮影地:明月院

(撮影者のコメント)
鎌倉の紅葉2019は台風の影響でダメだと思って行ったのですが、素晴らしい朝もやの中の明月院の紅葉を見ることができて感激しました。

(審査員からのコメント)
逆光のポジションを選択したことで、暗い樹々を背景に紅葉の色彩が印象的になりました。それに加えて朝もやの清々しい空気までも写りましたね。

総評

 今年は新型コロナウイルス事情で、残念ながら表彰式は中止せざるを得ない状況になってしまいました。しかし応募点数は1286点で昨年と比較しても205点増え、多くの作品が集まりました。
 今年も優秀な作品が多く、審査に時間がかかりました。入賞した作品には1点ずつコメントを書きましたのでこれからの写真撮影の参考になれば幸いです。
 この鎌倉市観光協会の写真公募展が広く多くの人に鎌倉の魅力を再発見していただくきっかけになればと願っています。審査基準の要点は鎌倉の魅力が表現されていること、写真的に優れた作品であることです。この2つの要素が両方とも飛び抜けていれば文句なしにグランプリですが、これはなかなか難しい。どちらか一方の要素が印象的であれば良いと考えてください。但し、2つの要素が満たされていることが条件です。
 来年も見る人がわくわくするような作品を応募してください、楽しみに待ってます。

十文字 美信

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